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「こんにちは！」


とても礼儀正しい小学５年生の男の子。
彼は私立の小学生で、電車で通学していたそうだ。

２年ほど前から、彼は腹痛を訴えるようになり、
それが原因で学校に行けない日が少しずつ増えて
きました。


教育熱心なお母さんは、それを甘えととらえてしまい、
お父さんとともに「やる気がない！」という結論を
出してしまいました。

それで、腹痛を訴えてもムリヤリ学校に連れて行く
ようにしていたそうです。


（これがダメなのはお解かりですよね）





あるときから、この男の子は腹痛だけでなく吐き気を
訴えるようになりました。

もちろん、実際に吐いてしまうこともあります。

そんな調子ですから、さすがにご両親も強引に学校へ
連れて行けなくなり、病院に通うようになりました。


私を訪ねてきたのは、病院に通うようになって
すでに半年以上がたってからです。

ですが、薬を飲んでいながら、吐き気も腹痛も、
すべての症状が改善していません。


この男児も、後頭部に違和感を感じていたこと、
そしてお腹で水の音がしていたことを中心に考え
対応しました。

結果として、来店された次の日、彼は自分から
「学校に行く！」と言って、実際に登校しようと
しました。


お母さんからお電話をいただき、

「本人がいつになく元気に起きてきて、
『今日は学校に行く！』と、家をでました。

でも、電車をおりて学校の近くになったら
やっぱり気持ち悪くなったようです。

しかしそれでも、なんとか授業を全部受けて
帰ってきました。」


お母さんの話では、来店された当日の夜から
小便の回数が増えていたそうです。


この男児が来店されて２ヶ月以上経ちますが、
残念ながら、未だに吐き気がとれていません。

症状は軽くなってはいますが、まだ、気持ち悪く
なってしまいます。


ただ、腹痛はとれました。

そしてなにより、学校に通うという意志が
しっかりとあります。

なによりですね。


追記

強制的な刺激を加えることで、自律神経反射の
結果である吐き気は、とても強く頭に記憶されて
しまいました。

著書にも書きましたが、こういった記憶は
強い刺激ならとても早く深く刻み込まれてしまいます。

状況判断をしっかりすることが求められますね。



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