人の悩みは十人十色

以前、不安神経症で来店されていた４０代の女性。

ひさ～しぶりに、彼女が不安がひどいと来店された。


聞けば、

「実は、高校生になる長女が、『心療内科に連れて行って

くれ！』と言います。

家では明るいし、『なぜ？』と聞くと『学校に行くと

友達が私の噂をしているような気がしたりして、すごく

気を使ってしまう！』と言いました。」


「それを聞いたら不安で不安で！

このままでは不登校になってしまうのではないのか？

そう、いつも考え込んでしまいます。」


「いや、それは不安ではなく、“心配”だよ！」


不安というのは“対象”がない感情です。

そして心配とは、対象があるときに生まれる感情。

彼女は不安神経症という状態ではなく、長女の

「心療内科に･･･」という話を聞き、それが

「心配」になっていただけ。


ということで、

「じゃあ、子供さんがそういった話をしなく

なればいいじゃないの！」


ということになり、２週間後に来店してもらう

ことになりました。


結果は、

「心療内科の話をしなくなりました。先日も、

『どうするの？やっぱり病院に行く？』と聞くと、

『もういい！なんも気にならなくなった！』と

言いました。」

と、お母さん。


そこで私が、

「じゃあ、あなたはまだ心配なの？」

と聞くと、

「ええ、なぜ、急に学校がイヤでなくなったのか？

それが気になります。」

という答え。


「それは、あなた自身が一番わかっていること

でしょう。あなた自身、自分の努力で不安神経症を

克服したじゃないですか。

あなたも、人と関わるのがイヤだったり、『職場の

同僚が悪口を言っている気がする！』って言っていた

じゃないですか。」


私がそう話すと、

「あっ、そうか！」


その後、念のために２週間ごとに２回来店されましたが、

子供さんが「ぜんぜん平気！」と、落ち着いていたため、

ご本人も拍子抜けするほど楽になってしまいました。


あまりにもあっさりと解決してしまったケースでした。


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